7
「もう花火始まるで!」
「あ、ほんと?」
千裕がそう言った瞬間、ヒューっと花火が打ち上げられる音があたりに響いた。
ドン、という音とともに夜空に大輪の花が咲く。
「きれい……」
「うん」
チラっと千裕を横目で見ると、綺麗な横顔が花火に照らされてさらに綺麗に見えた。
こっちを向いた千裕と、目が合う。
「ん?」
あかん、その笑顔、鼻血もの……!
「な、なんでもない!」
慌ててそう言うと、隣でクスッと笑う声が聞こえた。
「まひる」
「な、なに?」
「好きだよ」
え……?
急いで千裕を見る。
千裕はいつもみたいに優しく笑ってて。
「俺、まひるのことが好きだよ。すごく」
「う、嘘……」
だってだって、そんなこと言われても信じられへんもん!
「嘘じゃない。女の子の前で、無意識のうちに男言葉になったの、まひるが初めて。」
千裕の右手が、私の頬に触れる。
「まひるは?まひるは俺のこと、どう思ってる?」
頬を撫でられ、優しく見つめられる。
いいんかな?
この、溢れそうな想いを口にだしても。
千裕の優しい目が「いいよ」って言ってくれてる気がして
「好き……。千裕が大好き!」
そう言うと、千裕は嬉しそうに笑って両手を広げた。
「おいで」
「うわーん!」
好き好き大好き!
私は千裕の腕の中に思い切り飛び込んだ。
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