5
その時。
私の横の扉から、急に白い着物の女の人が現れた。
「ギャー!!」
飛び上がって、横にいる千裕に抱きつく。
「ち、千裕!ユウレイー!」
泣きそうな私に、
「本物じゃないから」
って、千裕は苦笑しながら言った。
その後も。
「ギャー!」
とか
「ヒーっ!」
とか、教室には私の悲鳴は響き渡り。
もうすぐ終わりかな?って思ったところで、千裕がボソリと呟いた。
「まひるちゃん」
「は、はい?」
「ずっと胸、当たってるんですけど……」
……え?
落ち着いてみると、確かに私は千裕の腕に抱きついていて
自ら胸を押しつけるみたいになっていた。
「ご、ごめん!」
初めて暗闇に感謝した。
真っ赤な顔を千裕に見られんくてすむから。
「いや、逆にありがとう……って、俺は変態か」
自分自身にツッこむ千裕に苦笑。
って、千裕!
自分が男言葉になってるん気付いてない?!
フフフ
ちょっと収穫かも。
そうニヤニヤしてたんはちょうどお化け屋敷を出たところで。
二人ともニヤニヤしているのを、周りの人は不気味そうに見てたらしい。
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