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しばらく歩くと、兄ちゃんが急に叫んだ。


「まひる!あれが学校やぞ!」


「に、兄ちゃんうるさー……って、はぁ?!」


なんやあれ!!


学校どころじゃない!


城や!!!



「ひょえ〜」


さすが金持ち学校……



と、ところでさっきから。


周りの女の子の視線がすごいんやけど……


もしかして。


もしかすると。



前に、兄ちゃんが電話で言ってたことを思い出す。



『兄ちゃんなぁ、学校でめっちゃモテモテやねんで?ファンクラブあんねん!』



……まさか。


まさかやんな?



『あれって…』


周りの女の子のひそひそ話が聞こえる。


『水野様の彼女?』


『えー、まさか!!』


『水野様の彼女は渡部様のはず!』



……ん?


渡部様?彼女?


んんん?



「兄ちゃん」


「んー?」


「『渡部』って誰?」


私がそう言った瞬間。


兄ちゃんの目がまん丸になった。


な、なんでそんな驚いた顔……?



「なんでその名前を知ってるねん?!」


「え、いや……」


周りの女の子がヒソヒソ言ってますよ?


あなたの『彼女』やって。



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