14
私の下駄箱の中を見て、会長の動きが止まる。
「どうしたのー?」
玄関を出たところにいる千裕が私たちに聞く。
私は、なんとなく千裕に知られたくなくて
「なんでもないから先に行ってて」
と笑顔で言った。
千裕たちは、なんの疑いも持たずに歩いていってしまった。
ボーっと突っ立つ私に、会長が「ちょっと待ってろ」と言うと、どこかに行ってしまった。
はぁ、なにこれ。
イジメ、ですよね……?
理由は……、まぁ、想像つくけど。
なんの取り柄もない私が、全校生徒の憧れの的である生徒会に入って。
そりゃぁ、妬まれるわな。
でも私だって、入りたくて入ったわけじゃないし!と、心の中で悪態を吐いてみる。
まぁ、なんだかんだで楽しんでるけどね。
千裕と、仲良くなれたし……
そこで、ふと思い出す。
千裕と言えば……
『千裕に近づいたとかで、私に嫌がらせしてきたのよ』
結子ちゃんの言葉。
あれは、確か……
岡垣瑞穂。
「こんなところで何してるの?まひるちゃん」
その声に、背筋が一瞬凍りついた気がした。
「……瑞穂ちゃん」
その人は不敵な笑みを顔に浮かべて、立っていた。
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