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「さて、それじゃぁ行くか」
会長の言葉に、それぞれ生徒会室を出る。
「まひる、行こう」
千裕の優しい笑顔を見て、さっきの千裕の様子は気のせいだと自分に言い聞かせた。
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「わぁ、今年もすごい盛況ぶりね」
いちこさんの言葉に、ぶんぶん首を縦に振る。
平日やのに、すごいな……
「じゃぁみんな、それぞれ位置につけ」
私たち生徒会の仕事は、門の警備。
今日は一応、この学校の生徒たちだけで楽しむ学園祭。
だから他の学校の生徒たちが入らないように警備するんだ。
平日やのに他校の生徒来るんかな?って思ったけど、いちこさんの話では結構来るらしい。
その人たちの目的は、会長やったり、兄ちゃんやったり、千裕やったり。
森田少年は1年やから初めての学園祭やけど、たぶん来年は森田少年狙いの子もいっぱい来るだろうな、っていちこさんは言ってた。
生徒会の男たちには、この学校だけじゃなく他校にもファンクラブがあるらしい。
「将行のファンクラブなんて私が根絶やしにしてやるわ」
って、いちこさんは燃えてたけど……
「まひる、行くぞ」
「あ、はぁい」
会長に呼ばれて自分の下駄箱に向かう。
「あ……」
「どうした?」
靴が、ない……
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