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「もう、将行!いつまで森田イジメてるのよ!」


いちこさんは、さっきの嬉しそうな顔とは比べものにならないくらい怖い顔で兄ちゃんと森田少年のところに向かった。


「も、もしかしていちこさん、俺の味方を……?!」


「そんなわけないでしょ!」


「ギャー!」


今度は兄ちゃんといちこさんの二人にイジメられてる森田少年を見て笑いながら、あることに気付く。


千裕は……?


ついさっきまでいたのにどこ行ったんやろう?


探しに行こうと、立ち上がった私の腕を誰かが掴んだ。


「まひる」


「会長……」


会長は、またあの鋭い目で私をまっすぐに見る。


「会、長……」


「気をつけろ」


「え……」


「俺のケータイの番号は知ってるな?通話ボタンを押したら、すぐに俺にかけられるようにしとけ」


「なんで……」


「いいから。わかったな?これは命令だ」


えらそうに言う会長にちょっとイラッとしたけど、おとなしく従うことにした。


私のケータイを覗き込んで、会長の言うとおりにしたのを確認すると、会長は満足そうに笑った。


その時。


「あ、千裕どこ行ってたの?」


いちこさんが声をかけると、千裕は


「うん、ちょっと」


明らかにごまかすように笑った。



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