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「で、どうなの?まひるちゃん」
「………」
「あたしと一緒に……」
「過ごす!」
「うおっ」
嬉しすぎて、千裕に飛び付いた。
「まひる……」
「過ごすぅ……」
泣く私を、千裕は優しく受け止めてくれた。
背中を撫でる千裕の暖かい手が心地いい。
わんわん子どもみたいに泣く私を抱きしめながら
「ほんと、なんでこんなに可愛いかな…」
なんて千裕が呟いてたこと、私は気づかんかったけど……
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「今日は、学園祭の当日だけど、気抜かずに、楽しもう」
会長の言葉と共に、テンションが上がる生徒会メンバー。
「いちこさん、俺と一緒に……!」
「残念やけどな、森田。いちこは俺と一緒に過ごすんや!」
「ギャー!」
森田少年をイジメる兄ちゃんを後目に、いちこさんが私の隣に座った。
「まひるちゃんは?千裕と……」
ピースサインを作ると、いちこさんは嬉しそうに笑った。
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