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「じゃぁね」


「うん、また明日」


2人が玄関を出ると、千裕は私の頭を撫でて微笑んだ。


「……〜っ」


もうあかん。


この人は私の心臓を壊すためにいるんや。


そう考えんと、心臓がこんなにドキドキする理由がわからん。



「まひる〜、まひるちゃーん」


「………」


「なぁ、まひる〜」


「……っ、な、なにっ?」


無視すんなよぉ、って頬を膨らましてる兄ちゃんに「キモイ」と言ってリビングへ戻る。


「まひるー、なんか飲むか?兄ちゃん作ってあげる」


「ん、じゃぁ、ココアが飲みたいな」


「りょーかいっ」


風のように素早くキッチンに消える兄ちゃんに苦笑いして、思う。


そういえば兄ちゃんも、1年の時から会長を知ってるし、私よりも千裕のこと知ってるんやんね?


聞いて、みようかな。


でも兄ちゃん妬きそうやしなぁ……


その時。


「まひるー、ココアだよー」


デレデレ顔の兄ちゃんに、キモイって言いかけたのを呑み込んで、


「ありがと」


と言うと、兄ちゃんは嬉しそうに笑った。



*

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