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「私は雪哉を1年の頃から知ってるから、あなたが雪哉を避けてる理由もなんとなくだけどわかるわ。」


いちこさんは深いため息をつく。


私の頭の中では、今日保健室で会長に言われた言葉が回っていた。


千裕はやめろって、会長はそう言ったけど。


私の中では危険なのはむしろ会長のほうで、千裕に惹かれてる私からしたら、反感を持ってしまう言葉だった。


「幸せに、なってね。」


いちこさんはそう言って切なく笑った。



会長の言葉も


いちこさんの言葉も


この時の私は深く考えてなくて。


もっとちゃんと考えてれば……なんて、後悔するのは、もう少し先の話……。





**************


「そろそろ帰ろうかしら」


しばらくみんなで話していると、千裕は立ち上がった。


「そうね、私も」


そしていちこさんも立ち上がる。


「千裕は早く帰れ」


兄ちゃんの言葉に、千裕と私は苦笑い。


「今のうちに認めてもらわねぇと…」


「え?」


ボソッと呟いた千裕に聞くと、彼は「ううん、なんでもない」と笑った。



*

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