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「まひるー!!」
千裕に送ってもらって家につくと、兄ちゃんが飛びついてきた。
「ぐえっ」
「まひる、どこ行ってたんや!心配したんやぞ!」
ぎゅうって兄ちゃんに抱きしめられて、息ができない私を千裕は抱き寄せため息をついた。
「将行ちゃん、まだ6時よ?」
千裕に抱き寄せられて赤くなる私を、今度は兄ちゃんが抱き寄せる。
「残念ながら千裕、まひるの門限は5時なんや」
え、そうやったっけ?!
そんなん初めて聞いたわ、兄貴のアホ!
その時。
「将行も千裕もそのへんにしといたら?」
聞こえた声に、私と千裕はニヤッとする。
「なぁんだ、将行ちゃん。そんなこと言ってすることしてるんじゃない」
「な、なんの話や!」
「ねぇ、いちこちゃん?」
千裕がそう言うと、いちこさんがバスルームから姿を現した。
「ひっひっひ」
ニヤニヤする千裕と私。
「ち、違う!」
アタフタする兄ちゃん。
そして。
「気持ちよかったわ、将行。ありがとう」
そう言って微笑むいちこさん。
兄ちゃんといちこさん、いつのまにそんなオトナな関係に?!
千裕と私は、目を合わせて笑った。
*
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