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「まひる、こんな形で知られることになってごめん。いつかは言わなあかんと思っとったんや……」
「うん……」
私が泣き止むと、兄ちゃんは私を椅子に座らせた。
そして、自分も椅子に座ると話し始めた。
「おとんがな、不倫しとったんや。おかんが俺を妊娠してる時からな。ほんで、おとんは不倫相手を妊娠させた…」
じゃぁ……
「お前はその、不倫相手の子どもや。俺のおかんとは、血繋がっとらん」
そういう、ことか……
「俺は2人が話してるのをたまたま聞いて……我慢できんようになって高校入学と同時に家を出た。やけど、お前を置いてきてほんまに後悔した……」
そういえば。
兄ちゃんがこっちに来てから、兄ちゃんは私にそれまで以上に優しくなった。
罪悪感があったからか……
「だから、お前が中学校卒業したらこっちに呼ぼうと思ってた。まひるから言ってくるとは思ってなかったんやけどな」
「兄ちゃん……」
「あの2人は離婚するかもしれん。それでも、お前はずっと俺の妹や。絶対俺がこれからも守ったる」
「うん、ありがとう…。だから兄ちゃん、私のことは気にしんといちこさんと付き合って?」
「え……」
「私、お母さんがほんまのお母さんやないって言うのはもちろんショックやけど、兄ちゃんがいちこさんと付き合わへん理由が私っていうほうがショックやわ。だから兄ちゃん、私のこと想うなら、いちこさんと付き合って?」
「まひるぅ……」
「ちょ、兄ちゃんなんで泣くんよ!」
「お前は優しい子やなぁ」
「わかったから……」
兄ちゃん、私兄ちゃんの妹でほんまに幸せやで?
それと柳瀬千裕、ありがとう……
私の心の中には確かに、新たな感情が芽生え始めてた……
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