12
「瑞穂はここで何してるの?」
「友達と話してたの」
「そう、じゃぁあたしたちもう行くわ」
「ねぇ、ちぃくん今日は一緒に帰れるの?」
「ごめんなさいね、今日も仕事で遅くなるわ」
「わかった…」
「気をつけて帰ってね」
そう言うと、柳瀬千裕は歩き出した。
私もその後を追う。
背中に瑞穂ちゃんの視線を感じながら…
瑞穂ちゃんが見えなくなると、柳瀬千裕はこっちを向いた。
「どうして手離したのよ!今はデート中よっ」
ぷんっと怒りながら差し出された手を握る。
うん、なんかほんまに恋人同士みたい…
なんかてれる。
あ、そういえば
「いつも瑞穂ちゃんと一緒に帰ってるん?」
「うん、同じ家に住んでるからねぇ」
「え?同棲?!」
「違うわよ、同居!」
「ふーん。」
「あたしたちいとこなの。それでいろいろあってうちに住んでる。あたしのお母さんと3人暮らしよ」
「へぇ。」
「あなたもうちょっと興味ありそうな返事できないの?」
「そうなんだ、すごい!」
「もう……」
と柳瀬千裕が微笑んだ時、いちこさんが目に入った。
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