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「さぁ、そろそろ戻ろうかしら?」


柳瀬千裕の手を思わずギュッと握ってしまった。


ビックリしてる柳瀬千裕。


ビックリしてる私。


え?え?


なんで握ってんの、私?!


「もうちょっとここにいましょうか。暖かいしね…」


柳瀬千裕は私の手をギュッと握り返した。


なんで、私手握ったん?


自分が意味わからん……!


まだ帰りたくないって思ったのは事実。


会長いるし、それに……


『それに』って何?!


一人で混乱していると


「おい」


って声が聞こえた。


この声、知ってる。


「あら、なぁに?雪哉ちゃん。今まひるの百面相見て楽しんでたのに」


今の混乱、全部柳瀬千裕に見られてたんか!


恥ずかしーっ!



「2人でお楽しみのところ悪いが、そろそろ戻れ。仕事が残ってる。」


「将行ちゃんといちこちゃんは戻ったの?」


「いや、まだ……」


「じゃぁ、2人を探して一緒に戻るわ。」


そう言って、柳瀬千裕は私の手を引いて立ち上がった。



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