7
「うまくいくといいわねぇ」
と微笑んでいる柳瀬千裕と
「俺はいちこさんが幸せなら……っ」
と泣きそうな森田少年。
「兄ちゃんも妹離れしてくれたらなぁ…」と、私も呟いた時。
「まひる」
会長に呼ばれてビクッとなる。
私は硬直したまま動けず。
「話が……」
会長が言いかけた時、私の腕は柳瀬千裕に掴まれた。
「あたし達も休憩に行きましょうか、まひる」
そう微笑まれて、ブンブン首を縦に振った。
そのまま生徒会室を出ると、私たちは中庭にある自販機に来た。
「何がいい?」
「んー、ココアかな」
「了解。」
「あ、お金……」
「いいわよ、これくらい。あたしは男よ?女の子にはおごってあげるもんなのっ。」
「あ、そう…」
その口調で言われてもまったく心に響かんよね、残念ながら。
「ちょっと座って話さない?」
柳瀬千裕は私のココアと自分のコーヒーを持って、近くのベンチを指差した。
「デートのお誘いっ」
なんて言ってる柳瀬千裕を置いて、私はベンチに向かった。
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