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それはそれはもう、般若のような……
「馬鹿言ってんじゃないわよ……」
ひぃ!
「ご、ごめんなさい」
「私はあんなオカマ男ごめんよ。気持ち悪い」
ひ、ヒドい言われようだな柳瀬千裕……
「たまたま、席が隣になって仲良くなったのよ。それを、千裕に色目使ってるとか何とか。思い出すだけでイライラするわ」
それに……、と結子ちゃんは付け足した。
「何かされたん?」
「いいえ、何でもないわ」
結子ちゃんは何かを振り払うように頭を振った。
「とにかく、あの女は性格悪いから注意しなさい」
「うん、わかった…」
て、返事したものの。
どうすることも、できひんよなぁ……
それに、なんかされるって決まったわけじゃないし!
私はそのまま眠りに入った。
「ちょっと!ねぇ、まひる!」
「ひいっ!」
二の腕に痛みを感じて目を覚ます。
「あんたいつまで寝てんのよ!」
見ると、結子ちゃんが私の二の腕を抓っていた。
そ、そりゃ痛いはずや……
「今昼休みよ?!」
昼休みってことは……
4時間寝てるし!
あ、焦る……
*
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