2
固まっている私を見て、柳瀬千裕は深いため息をついた。
「ま、いいわ。これからは会長と二人きりにならないようにね」
そう言って、柳瀬千裕は私から離れていった。
そして、クラスの中心的な人たちの輪に入っていった。
「やだ……私のそばにいてよ、千裕」
はぁ……って、
「おい!」
結子ちゃん、いつからいたんや!
しかも、
「勝手に人の心の中の言葉作らんでよ!」
「え、だってそばにいてって思ってたでしょ?」
ケロッとした顔で言う結子ちゃんに思わずため息。
なんで私の周りには変な人が集まるんやろ……
「千裕、さっきはどうしたの?あんな大声出して……」
今度はぶりっこな声を出し始めた結子ちゃん。
その視線の先には、柳瀬千裕に何か話しかける岡垣瑞穂ちゃん。
「ううん、何でもないわよ」
次は柳瀬千裕の声マネ。
「……結子ちゃん、なに言ってるの?」
「アフレコ。気になるでしょ?」
……いや、特に。
でも楽しそうな結子ちゃんに言うわけにもいかず、そのままにしておいた。
てか結子ちゃんの中で、私は柳瀬千裕のことが好きってなってんのか?
*
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!