20
生徒会室をこっそり覗くと、会長がパソコンとにらめっこ。
あぁ、モテるのわかるな。
整った顔
キレイな指
それになんか会長って、影がある気がするんよね……
「覗いてないで入ってこい」
「…う…」
覗いてたんバレバレやったみたい。
切れ長の瞳に見つめられると、なんか萎縮してしまう。
「なんか用か?」
「あ、あの…携帯忘れて」
と、綺麗に片付いた机の上を見る。
だけど、どこにも携帯はなくて。
「あれ?森田少年、見たって言ってたのにな…」
落ちてるんかも、としゃがんだ時。
「これのことか?」
会長の声が聞こえて、見ると会長が私の携帯を持って微笑んでいた。
その優しい笑顔に騙された私は
「あぁ、それですそれ!預かってくれてたんですか、ありがとうございます!」
と、会長に近寄り携帯を受け取ろうと手を伸ばした。
だけど、その手は空を切り
会長のもう一方の手でぐっと引っ張られた。
「ぎゃっ!」
そして……、
気づいたら閉じられた会長の綺麗な目がすぐそこにあった。
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