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「まひるちゃん。これからよろしくね?私のことはいちこでいいから」


フンッと鼻息荒い兄ちゃんを無視して、いちこさんが話しかけてきた。


「はい!よろしくお願いします!」


なんていい人なんやろう。


綺麗やし、可愛らしいし、優しいし。



いちこさん、大好き!!



「いちこ、お前あんまりまひるに近づくな」


「なんで?」


「まひるがお前の影響で変な女になったら嫌やから」


「し、失礼な!将行だって変じゃない!」


「お前なぁ!!」



なーんや。


もしかして、この二人もう両想い?


めーっちゃ仲いいやん。



私が離れても気付かんぐらい、二人とも喧嘩に夢中。


むふふ


「何で一人で笑ってるの?」


パッて横を見ると、柳瀬千裕がニコニコして立っていた。


「んー?二人仲いいなぁと思って!」


「うん。ずっとあんな感じ。あれでまさかいちこちゃんの片想いだとはねぇ」


「え?!兄ちゃん、いちこさんを好きじゃないの?!」


「うん。そうみたいよ?」



なんかショックかも……


兄ちゃん、見た目だけはカッコいいからいちこさんと、見た目だけは釣り合うのに。


*

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