16
「どういうつもりや!!」
……生徒会室。
並ぶ生徒会役員の前で、兄ちゃんが一人叫んでいる。
そんな兄ちゃんに、今まで黙っていた会長が口を開いた。
「なんでそんな怒んだよ?」
「んなん、お前ら野獣の毒牙に可愛い妹をかけたくないからに決まってるやろ!!」
は?野獣?毒牙?
「野獣なんてヒドイわぁ」
柳瀬千裕の気の抜けた声。
「ちょっ、俺はいちこさん一筋ですから!!」
へー、森田くんって渡部さん好きなんや。
「………とにかく。」
……会長は何も否定しないのね。
「水野まひるを生徒会に入れようと思ったのには理由がある」
「確かにまひるは可愛いけど……」
「それだけじゃないの!」
突然、渡部さんが話し出した。
「まひるちゃんの編入試験の成績、知ってる?」
「は?編入?知らんけど…」
うん、それ、私も知らん。
て、なんでこの人たちが知ってるん?!
「……歴代3位」
はぁ?!
うっそ、私そんな頭よくないのに……!
「……どうせ5人中とかやろ?もういいわ。お前らに何言っても聞かんやろうし。まひるは俺が守ればいいんやからな!!」
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