[携帯モード] [URL送信]
14


「なーんて。あたしからのちょっとした警告っ」


そう言って笑った時にはもう、元の柳瀬千裕に戻っていた。


なんやったんやろ、今の…



「ここよ」


柳瀬千裕が私を連れてきたのは、幕の後ろ側。


全校生徒を前から見渡せる場所だった。


生徒会メンバーは、慌ただしく動き回っている。


……兄ちゃんには、『生徒会メンバーと関わるな』って言われてたし、見つかったらめんどくさいから隠れとかないと。


はぁ、でもなんでこんなことになってるんやろ


あのまま普通に結子ちゃんと体育館に来てたら、ここにはいーひんかったはずやのに。



「見つかった?」


「えー…」


パッて横を見る。


ち、近い……


生徒から見えないように、私に重なるように柳瀬千裕が後ろに立っている。


すぐ横に柳瀬千裕の綺麗な顔。


右腕に感じる柳瀬千裕の体温。



どうしたらいいか、わからん……



真っ赤な顔を柳瀬千裕に見せないために、私はまた前を向いた。



「ま、まだっ」


「そっか。……あ、でもまひるちゃん。もう時間がないから、友達探しは後にしてくれるかしら?」


へ?時間?


その時、教頭の声が聞こえた。



「次は、生徒会長西園寺雪哉くんの話です。では、西園寺くん。よろしく」


「はい」


会長は返事をすると、いつのまにか私の隣にいて、私の腕を掴んだ。


………え?


*

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!