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「あぁ、もう始まっちゃってるみたいだね〜」


いちこさんの言う通り、体育館に着くと校長が話しているところだった。


こんな静かな中で入ってくの嫌やなぁ……

まず、結子ちゃんを見つけて、それからやな。



そう思った私は、体育館の入り口にへばりついた。


……でも、1000人ほどいる全校生徒の中から一人を捜し出すなんてなかなか出来そうもない。


「まひるちゃん?」


「はい?」


気だるそうに後ろを向くと、満面の笑みで柳瀬千裕が立っていた。


「何してるの?」


「友達探して……」


「それならこっちのほうが探しやすいわよ?」


そう言って、柳瀬千裕は歩きだした。


私はその背中についていく。



黙ってたら、すーーーっごくカッコいいのに。


柔らかそうな髪の毛


スラッと伸びた手足


色素の薄い瞳


細長い指


文句なしの男前、やのになぁ……



「まひるちゃん」


「はい?」


「会長には……あまり近づかないほうがいいわよ?」


「……なんで?」


近付くも何も、この先関わることなんてないと思うけど。



「なんでも」


「………っ」


そう言って振り返った柳瀬千裕の顔は、まさに『男の人』。


口調とあまりにもかけ離れた雰囲気に、私は思わずドキッとしてしまった。


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