[携帯モード] [URL送信]
11


「なかなか見つからなくて」


「まぁ、いい。将行は体育館か?」


「そうよ。……ねぇ、自己紹介しなくていいの?」


「……しておいたほうが、いいか」



美形に囲まれてポケーッてしてた私に、美女が近づいてきた。



「まひるちゃん、私は渡部いちこ。副会長してます。よろしくね」


ニコッと微笑む彼女は、今まで見た誰よりも綺麗………って、


「渡部、いちこさん……?」


「あら、私を知ってるの?」


「兄ちゃんの、彼女?」



私がそう言った途端、ボボボって真っ赤になる彼女。


「それ、将行が?」


「いえ、周りの人が騒いでました」


「そう……」


明らかに落胆した様子の彼女。



「兄ちゃんのこと好きなんですか?」


私がそう言った途端、またボボボっと顔が赤くなる。


「エヘヘ、片想いだけどね」


そう言った彼女は健気で儚くて。


こんな人を好きにならない兄ちゃんは正真正銘のバカだと思った。



「こっちは、生徒会長の西園寺雪哉。」


そう言って、いちこさんは黒髪の男性を指した。


「……よろしく」


「よろしくお願いします」


私がそう言うと、彼はパッと目を逸らした。



「フフフ、大丈夫。まひるちゃんが来るの一番楽しみにしてたの、実は雪哉だから」


「え……」


*

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!