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「なぁ、さっきから変変って…」
「細かいことは気にしなーい!さ、始業式行くよ」
「え、ちょっ……!」
あ、怪しすぎる……!!
何者なんや、生徒会って!
「体育館って、どっちやっけ?」
「あぁ、大丈夫大丈夫。私が連れてってあげる」
なんて言ってたのに。
なんで私
一人なんすか?!
「ま、迷子やんなぁ」
これって。
こんな広いお城みたいな学校で
体育館探し出そうと思ったら日が暮れるんじゃ……
「そんなこと、してられっかー!!」
私の悲痛な叫びは静かな学校に消えていった……
と、思ったのに。
「なんか悩み事?」
あれ?このシチュエーションどっかで……
嫌な予感がしてパッて振り向くと
「また会えたね、まひるちゃん」
「わわわわわ」
どんどん近づいてくる彼から逃げる。
私が一歩下がると、彼も一歩近づいてくる。
その顔に、綺麗な笑みを浮かべながら。
って、あれ?
「ちょっと待って」
「ん?」
「なんで私の名前、知ってんの?」
「フフフ、確保っ」
え?
あぁぁぁぁ!
立ち止まってしまった私の腕は、彼に捕まれていました。
「森田、行くわよ!」
彼がそう言うと、草むらから一人の男の子が出てきた。
あら、この子も美形……じゃなくて!
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