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千裕は、身動き一つしなくて。


「ち、千裕……」


やっぱり嫌やったかな?


こんな話しても、私が千裕を拒否したのは事実やから。


「ほんまに、ご「ソイツ、許さないわ」


「は……?」


い、今なんて……?



「その幼なじみの男、許せない!あたしのまひるを傷つけるなんてっ」


は、はい……?


顔を上げた千裕の目には、今度は怒りが浮かんでいた。



「まひる、その男あたしが懲らしめてやるわっ」


そう言って立ち上がった千裕を、必死で止める。



「い、いや千裕っ。もう兄ちゃんが散々懲らしめたからっ」


それはそれは、恐ろしい方法で。


「あたしだって……っ」


「もう和解してるし。ね?」


私のあまりの必死さに、千裕は一瞬私を見てソファーに座る。


「……そうね。まぁ、今は忘れることにするわ」


今は?


その言葉がちょっと気になったけど、あえてスルーすることにした。



「あ、あの。千裕、ごめんな?」


そう言うと、千裕はキョトンとした顔で私を見た。



「なんで謝るの?」


「だ、だって……」


口ごもる私の頭を、千裕はフッと笑って撫でてくれた。



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あきゅろす。
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