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「……っ」


どうしよう、怖いっ


千裕の指が、私の背中を撫でて


私は自分の中の恐怖に



……屈してしまった。



「いや……っ!」


ドンって千裕の胸を押した。


必然的に、千裕のカラダが私から離れる。



千裕は呆気に取られてたみたいやけど、私が震えてるのに気付いたのか


「ご、ごめんまひる……っ」


私の頬に触れようとして、手を引っ込める。



やだ、私


千裕のこと、傷つけた……!



「千裕、ごめんっ」


急いで起き上がり、千裕を抱きしめる。


「俺に触られんの、いやだった?」


千裕の声は、弱々しくて。


私は必死で首を横に振った。



「ち、ちがっ…!そうじゃなくて…」


そういう風に誤解されたくない。


私はフーッと、息を吐いた。


……そして。


「昔、幼なじみに襲われたん」


「……っ」


瑞穂ちゃんのこともあるし、千裕には辛い話かも。


やけど、千裕には知っておいてほしい。


「だけど、兄ちゃんが助けてくれたから大丈夫やったんよ。抑えつけられたから怖かったけど」


「………」


「その時のこと、思い出しちゃって……。ほんまにごめん。やけど、千裕に触れられたくないわけじゃない。これは、ほんまやから」



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