5
くすぐったいような、気持ちいいような
変な感じ。
ただ、千裕に触れられてるところが熱を持っているのは
軽いパニック状態の頭でもわかった。
「ち、ちひ……」
私の言葉に、千裕はやっと顔を上げた。
「……っ」
その目は、男のくせに色っぽいのなんの。
私女やのにそんな目一生できん!って、悔しくなるくらい。
「まひる……」
私の手首を掴む千裕の力が強くなる。
「久しぶりに会って、こんなこと言うの申し訳ないんだけど…」
千裕は私の首筋に、また顔を埋める。
「俺もう、我慢できないかもしれねぇ……」
そ、それって
千裕は私と、その……
し、シたいって、思ってくれてるってことやんな……?
それに、こんな時だけ男言葉ってズルい!
「千裕、私……っ」
「ん?」
また顔を上げて、私を見た千裕の目には
少しの余裕のなさと、色っぽさ
そして優しさが、含まれていた。
「私、シたことない……」
「うん、大丈夫」
優しくする、って甘く囁いた千裕の指がゆっくりと私の服の中に入ってくる。
………その時。
『まひる、好きや……っ、好きなんやっ……』
忘れかけてた、過去の記憶が蘇った。
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