3
せっせと、千裕の部屋を片付けていく。
実家にいる時は片付けなんてしようと思わんかったけど。
兄ちゃんと二人暮らしするようになって、掃除の重要さを知った。
……あの人、散らかし魔やから。
「まひるー」
一生懸命やりすぎて、千裕に呼ばれてるのに気づかなかった。
「は、はい!」
「もう、何回呼んだと思ってるのよっ」
ブーブーすねる千裕が可愛くて、思わず笑ってしまった。
私の笑顔を見て、千裕も笑う。
「ねぇ、もう掃除いいからこっち来て?」
「……っ」
こっちって……
千裕は、ソファーに座ってて。
ポンポンと、自分の右側を叩いてる。
「いやっ、でもまだ掃除終わってないし!」
自分でも、顔が真っ赤になってるのがわかる。
恥ずかしすぎ……
「あたしとくっつくの嫌?」
な……!
そのうるうるの瞳はズルい!
私はゆっくりと、千裕のいるソファーに近づく。
そしてあと少し、って時
グッと腕を引っ張られて、私のカラダは千裕の腕の中におさまった。
「……っ」
や、やば
なんかクラクラする…
「まひる……」
そ、その耳元での甘い囁きは反則やってば!!
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