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千裕は、あれから一人暮らしを始めた。
瑞穂ちゃんもいる家にはこれ以上住めないって思ったみたい。
それで、生活費を稼ぐためにバイトをしている。
千裕と前に会ったのはいつやったっけ?
確か、終業式の日以来。
連絡も、3日に1回やし。
ほんまに付き合ってんのかな……?って、不安になることもあるけど。
こうやってバイトが休みになると誘ってくれるのはすごく嬉しい。
それでもう不安になってたことなんて忘れてしまう、単純な私。
ピンポーン
「はぁい、あ、まひる。いらっしゃい」
あぁ、千裕や……
「まひる?どうしたの?ボーッとして」
「な、なんでもないっ」
久し振りの千裕に見とれてました、なんて言えません。
千裕の部屋は、男の一人暮らし!って感じの部屋で。
「あ!また洗濯物ためてるし!」
そのへんに散らばるぐちゃぐちゃの服。
「ごめんなさい、する余裕ないのよ」
そう言う千裕の目は子犬のようで。
「……いいよ、私がするから」
結局、負けてしまう。
前来た時も洗濯したような気がするけど。
まぁ、いいか。
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