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あれから1ヵ月。
「あつ〜」
夏休みに入って、私は家でゴロゴロしていた。
「まひる、兄ちゃん図書館行ってくるわ」
「はーい」
生徒会の3年生は夏休み前に生徒会を引退した。
そして、毎日街の図書館で受験勉強してるみたい。
雪哉センパイ、元気かなぁ?
千裕とうまくいったこと、もちろん雪哉センパイには報告した。
雪哉センパイは、「おめでとう」と微笑んで言ってくれた。
傷つけたはずやのに
優しすぎ……
「はぁ……」
ため息をついたら、憂鬱な気分がさらに憂鬱になった。
その時。
鳴り響く、私の大好きな曲の着うた。
この着うたを設定してるのは、一人だけ。
急いで通話ボタンを押す。
「も、もしもし。千裕っ?」
『あ、まひる。元気〜?ごめんなさいね、あまり連絡できなくて』
「う、ううん!全然!」
……ほんまはめっちゃ寂しかったけどね。
『これからうち来ない?』
「え……!」
『今日、バイト休みだから。……無理?』
「い、行く!絶対行く!」
『よかった。じゃぁ、待ってるわね』
電話を切ると、私は急いで準備を始めた。
*
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