6
差し出された手に私の手を重ねると、強い力で握られた。
「いっ……!!」
なに?やっぱりイジメなん?!
「水野、って言った?」
「え、あ、はい……」
「もしかして、水野将行様の…」
「妹ですが…」
様って!
様って気持ち悪いよー。
兄ちゃんは『様』なんてつけるほど偉くないよー。
「やっぱりそうなんだ!水野様の彼女は渡部様に決まってるって言ってたの!」
んー、また出てきたな。『渡部様』
なんでもいいけど。
いい加減、アホ兄貴の話ばっかり聞きたくないわ!
私がうんざりしていると
「はいはい、終わりー。転校生がめずらしいのはわかるけど、もういい加減解放してあげたら?」
私を取り囲む人たちに言ってくれたのは
「私は田辺結子。あなたは?」
やまとなでしこ的な雰囲気を持った髪の長い美女。
え………ここにいるってことは、同い年やんな?
ななな、なんやこの月とすっぽん的な感じはー!!
いや、わかってたで?
私は何にも可愛くないってこと。
でも、ここまでの美女を目の前に出されたら
さすがの私でも落ち込むって……
*
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!