ハルノヒザシ 高校生と中学生 「んーあれ?」 次の日の修了式を終え、寮に三好と戻る途中、俺はあることに気付いた。 なんだか… 「今日、やけに中学生多くない?」 普段は滅多に高校棟に入って来ることなどない中学生。 今は夏服の期間でどちらもYシャツ姿のため冬服である学ランとブレザーのようにすぐにそのことに気付かなかったが、よく見ると名札が違う。 はっとして周りを見渡せばそこかしこに中学生ばかりだ。 何でだろう?ともの珍しげに行き交う中学生達を俺が眺めていると 「あれだろ、あれ。明日の交流試合の申し込みにきてんだろ」 下剋上とやらの、と隣の三好が解説を入れてくれる。 ああ、そう言えば明日だっけ。 夏が言ってた下剋上って。中学生と高校生の交流試合が下剋上って…なんか面白い行事が多いよな。この学校は。 夏は剣道部の副将って言ってたから、多分来てるんだろうな。 そんなことを思いながら、一応キョロキョロと見慣れた姿を探してみるが、もう行ってしまっているのか、まだ来ていないのか、近くにそれらしき人影は見当たらない。 まぁ、いいか、明日どうせ見られるんだし。 まずは帰ってご飯だな。なにつくろ。 ついに始まった夏休み。登校日はまだ何回かあるけど、なんとなくわくわくしながら、俺達は帰路についた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |