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ハルノヒザシ

突然目の前で服を脱ぎだした三好を俺は唖然として見つめた。
その間にも三好は次々とボタンを外し、スッとシャツを脱いだ。
その途端俺はびっくりして息をのむ。
骨みたいな俺とは違い、健康的にに筋肉がついた三好の身体。
部活やって無いのにパリっと引き締まっている。
だか、その右腕には…。

刺青が彫ってあった。
胸の方まで被う大きなもの。
しかしそれだけならまだいいが、上から刃物でめちゃくちゃに切り刻まれている。
まるで、消し去りたいかのようにぐちゃぐちゃに…。
切傷で歪む刺青が一層いかめしい。
何だ、これ?
自分でやったの?三好

「気持ち悪いだろ?」
自分を嫌悪し、軽蔑するような三好の乾いた声。
「俺がやったんだ。全部」
顔を上げると三好と目が合う。
「馬鹿だよな、俺」
笑う口元に、笑ってない瞳。
三好…、三好…?
もう一度三好がフワリと抱きしめてきた。
徐々に背中に回された腕がTシャツの中に滑りこんで来る。
「前田?お前は気持ち悪くなんかねぇよ」
耳元で三好が囁くように繰り返した。
スーッと三好の指先が背中をなぞるのを感じる。
「前田?お前は悪くなんかねぇよ?」
三好の声が掠れる。

「前田?お前はもういいんだよ」
ツーッと涙が頬をつたうのがわかった。

父さん、あなたは僕を許してくれますか?

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