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ハルノヒザシ

(見られ…た…)
もう既に遅い事はわかっているが、俺はバッと振り返り三好から自分の背中を隠す。
それにしてもいつの間に帰って来たんだ三好、全然気がつかなかった。
物音たてないのはしっているけど…。
三好を見ると物凄いバツが悪そうな顔をしている。
いや、三好は悪くないんだけどさ。
「あの、悪い…、見るつもりなかったんだけど…。とりあえず服着ろよ」
三好の言葉に俺はこっくり頷き素早く手に持っていたTシャツを着た。

俺の背中には昔付いた火傷。

何年たっても絶対消えない跡がついている。

あまり他人には見せたくない。気持ち悪いし、何より昔を思い出す。
だからどんなに妙に思われても俺はけして他人に背中を見せない。
俺の最大のトラウマがここにはあるから。

六年前の夏、父さんが死んだあの日を…。

燃え上がる炎

凄まじい熱気

父さんがいた部屋の扉

夏の鳴き声

倒れて来た柱

消防士の腕

泣きわめいた俺


久しぶりに記憶がフラッシュバックしてきた。
忘れられやしない、俺の記憶が…
目の前が…真っ白に、変わって、いく…

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