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ハルノヒザシ

「んじゃ、頑張ってお呼びだしに行ってこい」
授業が終わり、これ以上無いぐらいに沈みきっている俺に三好は気軽に言った。
面白がってるな、コイツは…
「帰りが遅いようだったら何か勝手に作って食べてて…」
俺はトボトボと教室を出ながら言う。
先程確認したプリントには確かに昨日が活動日だと記されていた。
何で今日だと勘違いしてたんだろいな、俺は…。

生徒玄関で三好と別れ俺はトボトボと一人図書室に向かう。
「失礼します」
まだ望月先輩はいない。今日の当番だろう。カウンターに座っている人が俺に同情した眼差しを送りながら軽く会釈をする。
俺もペコリと礼を返してとりあえずぼーっと立ちながら望月先輩を待つことにした。
「よう、前田」
俺が図書室に来て数分。将軍のご到着だ。
来いと言ってずんずん先に立って歩いて行く。
来たのは最上階である三階。資料室であんまり面白い物もないので一般の生徒はあんまり立ち入らない階だ。
ずんずん奥の向かって歩く先輩を慌てて追いかける。
歩くの早い!俺の足が短いんだろうか?
「ほら、入れ」
一番奥にある部屋を鍵で開けた先輩が俺を急かす。
何そこの怪しい部屋…。
何か古文書みたいなのまであるよ。なんかファイルが大量に散らばってるし、本棚倒れてるし。
「さて、昨日はここの整理任せた奴がヘマしてな…、こんなになっちまったが」
その人殺されて、埋められたんじゃないだろうか…。
「とりあえず、まず部屋の掃除だ。散らばってるファイルを整理とか。次はここにあるリストの本を探してこの段ボールに詰めとけ。」
とりあえず、本棚直すのだけは手伝ってやる、と望月先輩散らばってるいる物を避けながら本棚へと近付いて行く。
「そっち持て」
あっはい、と俺は本棚の端を持つ。
おっ、重い…。

「んじゃ、俺は部活行ってくるから」
膨大な量の仕事と俺を残し、望月先輩は去っていってしまった。

さすが将軍、半端ない。

掃除だけで軽く今日中に終わりそうにないぞ、コリャ。

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