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ハルノヒザシ
ホリデー!!
午前六時。
いつものように俺は目を覚ます。
今日は待ちに待った日曜日。
やっと、買出しに行ける!!と思っていたのだが…
(体中が痛い…)
全身筋肉痛に苛まれ起きるにも一苦労だ。
しかし行かない訳にはいかない。学校には一応スーパーらしきものが付いているのだが、いかんせん高い。しかも品薄。
なるべく安くあげたい俺としてはやはり町に下りたいところなのだ。
(バス何時だっけ?…うっイタっ…)
こんな山の中だが一応この学園はバスの通り道に面している。ものすごーく本数は少ないが…。しかも無駄に朝早い。七時ってねぇ
町まで約一時間。往復は800円。
このバスの往復よりなんとしてでも安いものを!!
そんな執念で俺は体を引きずり顔を洗いに行ったあと服を着替えると朝飯を作り出す。
(痛いよ痛いよ痛いよ)
全身をさいなむ激痛に心の中で念仏のように唱えながら俺は朝飯を作る。
うん、俺基本非力だからさー
「三好のは作っておけばいいか」
「いや、食べるよ。俺も行く」
独り言を呟いていると突然後ろから聞こえる三好の声。
その音もなく後ろに忍び寄る癖止めてくれ!いつも心臓に悪い。
「びっくりした!!おはよう三好。何行くの?」
「うん、俺も久しぶりに町に下りる。先食べてて」
三好が顔を洗いに行っている間に俺は朝飯をテーブルに並べる。
「いただきまーす」
何かもう一人の食卓に二人分の食事って普通だったら不気味だな、なんて不吉なことを考えながら俺は先にご飯を食べ始める。
「あーいい匂い。いただきまーす」
すぐに私服に着替えた三好もやってきて食べ始める。
ふーん三好の私服ってこんな感じなんだ。俺とは違い、キラリと光るセンスがお洒落だ。
二人してご飯を食べ終わったのが六時半。
俺は昨日書いたメモを見ながら今日の予定を再確認する。
「…味噌、綿棒、ルーズリーフ…」
ブツブツ言っている俺を三好が面白そうに見ている。
「なんか今日前田燃えてるな。筋肉痛は大丈夫か?
「全然大丈夫じゃあないよ。まぁ主婦にとって買い物とは戦いだから」
主婦暦十年をなめるなよ!
ってそんなこといってる場合じゃない。よし、財布持った、傘持った、ティッシュ持った。オーケー!!
ここからバス停までは歩いて10分ぐらいかかるためそろそろ出ることにする。
「んじゃ行こうか」
「おう」
俺達は人気のない寮を後にした。

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