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ハルノヒザシ

「ほんとにそのかっこでいくの!?」
「んー誰も見てないよ…着替えるの、たるいし…」
次の日の朝。どうにかこうにか9時15分前に起きてきた三好が顔を洗っただけでもう行くといい始めたので、俺は思わずそう声をかけた。
パジャマ代わりの七分のロンTにハーパン。寝癖を誤魔化してるんだか顔を洗った後に外すのが面倒くさいんだか、前髪をラフにカチューシャで上げておでこ全開だ。
三好はいつも外出する時はきちんとお洒落な格好をしているので、見た目には気を使うタイプかと思っていたら、そうでもないらしい。なんだ。学校行くときは制服着用かと思ってたから俺わざわざ着替えたのに。俺もそのままくればよかった。
「今日も暑いなー」とサンダルを突っ掛けて、自動販売機で買った缶コーヒーを飲みながら道を歩く三好は、ギャップというか何してても決まるというか、やっぱりカッコいい。
「外にいんのあちーから中入れないかな?」
「道場の中入らなければいいんじゃない。扉の前とか」
日陰にある中学生の道場と違って、直射日光さんさんの高校道場を外で観戦したくないため、俺達は玄関へと回る。
「もういるかな」
「終わってたりして」
そんなことを言いながら道場の扉を開くと靴が四足しかない。あ、これ夏の靴だ。
「なんか声するな」
「ちょうど9時だしね」
そぉーと三好と二人道場の中を覗いてみる。



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