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ハルノヒザシ
中学生、高校生に挑む
「すごいね、プログラムまで作るんだ」
「ほんと、行事に無駄に力を入れる学校だよな」
次の日。
前々から散々騒がれていた下克上の日は、雲一つない絶好のスポーツ日和となった。
下克上を達成するには、もってこいシチュエーションに朝から学校全体が活気づいているのが感じられる。
だが、二人して部活に入っていない俺達はそんな雰囲気もなんのその。配布されていたプログラムを広げながら、のんびりと青空の下を歩いていた。
「あ、今バスケやってる。見たいな」
「将軍か。俺も見たい。体育館暑そうだけど」
夏の試合が始まるまでまだ時間があったため、剣道場にいく前にバスケを見ていくことにした。
向かった体育館は中から外まで聞こえるぐらいの応援の声が響いている。
(あぁ、やっぱ下克上って特別なんだな)
全校を上げての対抗試合。そして引退試合。
峡城学園にとっての本格的な夏の訪れ。

沸き上がる歓声が、俺にそんなことを思わせる。
中に入ってみれば、ちょうどバスケとバドミントンの真っ最中。
ボールがぶつかって来たらたまったもんじゃないので、俺達はそそくさと二階へと上がることにした。
良い場所は既にあらかた応援している生徒で埋まっているため、仕方なく俺達は端の方で鉄柵にもたれ掛かりながら観戦することにする。
(望月先輩はどこだろう…あ!…)
とコートの中を探す間もなく俺の視線はコートの上を駆け抜けていく一際目立つ金髪の七番に吸い寄せられた。
もちろん、望月先輩その人。
(初めて見たなあ。望月先輩がバスケしてるとこ)
いつも図書室で見てるのとは違う、ユニフォームを着てコートの上に立つ先輩の姿がとても新鮮で…
(やっぱ、かっこいいな)
四天王にも数えられる訳だ、と思わず一人で納得してしまう。

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あきゅろす。
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