ハルノヒザシ 3 「ラスト行ってきまーす」 段ボールを抱えて図書室の扉を開けながらカウンターにいる神田君に言う。 「大丈夫ですか?一回ぐらい僕が代わりに行きましょうか?」 既にヨタヨタ歩きをしている俺を見かねて神田君がカウンターを立ち上がる。 「いや、後一回だし、大丈夫ー」 「全然大丈夫に見えませんよ」 「すぐ帰って来るから、んじゃ行ってきまーす」 トコトコとそのまま歩き始める。 いや、ホントは色々限界何だけどね…。 すっかり慣れた生徒会室までの道を辿る。 「失礼しますー。これでラストです」 「ハイ、ご苦労様。よく頑張ったねー」 俺が生徒会室に入り荷物を置くと軽そうな人とがパソコンをいじりながらニコっと笑った。 さぁあとすこし、俺は最後になった引き取る雑誌を持つ。 「失礼します」 一度荷物を置いて扉を閉めると、俺はホッとため息をついた。 既に腕も限界。明日は絶対筋肉痛だな。 ゆっくり階段を降りながら、明日買い物行けるかな、と考える。 二階まで下がり踊り場を回った時に誰かが登って来る音が響いた。 大して気にもせず俺は階段を下りその人物との距離を詰める。 しかし その人物が今俺が下りようとしていた階段の下に姿を現した時、 俺は戦慄した。 ああ、俺は何て運が悪いんだろう。 その人物が顔を上げ、俺と目を合わせた瞬間 俺は元来た階段を疲れた身体を引きずって三段飛ばしでかけあがりだした。 俺と視線が会った赤い目。 なんでこんな所にいるんですか?匂宮先輩。 [*前へ][次へ#] [戻る] |