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ハルノヒザシ

三好が本屋にい座ること数時間。
すっかりそんな三好に慣れた俺はその間にゆっくりと自分の用事を済ませ、もう一度本屋へと戻ってきていた。
(あ、居た…)
店内を歩くと先程から変わらない場所にいる三好をすぐに発見。 すたすたと近づいて行って、ぽんぽんと肩を叩いてみる。
「三好、お腹空かない?」
「…、そう言えばすいたな」
飯食いに行くかーと言いながらギュッと目をつぶり軽く目元を押さえる三好。
目が疲れたんだろうな。めっちゃ近付いて読んでたから。
ぱちぱちと目をしばたかせながら、歩き始める三好に続きながら、俺は早く眼鏡出来ないかなーとぼんやりと思う。
「あれ、恒例の棚買いはいいの?」
何も買わずに本屋を出ていく三好に声をかけると、もう注文したという返事。
あ、そうなんだ、からかったつもりだったのに…。流石は三好。
でも、そろそろ三好のクローゼットから本が雪崩落ちて来るんじゃないだろうか、三好が潰されないといいけど。
と、こないだチラリと見た三好のクローゼットの中身を思い出しながら、俺は勝手な心配を募らせる。
「あー俺久しぶりにマック行きたいかも」
「いいね。それ。そうしよう」
前方に見える赤と黄色の看板を指差しながら言う三好に、俺はこっくりと頷いた。

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あきゅろす。
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