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ハルノヒザシ

「ふうん…」
俺のノートを見ながら、匂宮先輩が小さく鼻をならした。
そして
「お前本当に数学出来ないんだな」
と、今日既に一回どこがで聞いたことある台詞を口にする。
「何処までわかってんだ。言ってみろ」
「あ、えっとですね。この問題の…」
俺は一生懸命自分がわかっていることを身ぶり手振りを交えながら説明する。
ジーっとその様子を頬杖つきながら見ている匂宮先輩。
「…のはってなるわかるんですけど、ここから何していいかわかんないんです…」
ちらり、と匂宮先輩の顔色を伺いながら、俺は口を閉じた。
教科書をパラパラめくりながら、黙ったままの匂宮先輩。
やべぇー、もしかして俺全部間違えてた?
間違えると即怒声とビンタが飛んできた喜介のスパルタ授業を思い出しながら、俺は身を固くする。
「お前さ…」
「はい!」
「このページに出てきた公式が何に使うかわかるか?」
「あ、えっとcosの…」
「じゃあ、さっきの答えをsin(x)を 2xsin(x)+x2cosと置くと必要なのは?」
「sinです。あ、じゃあsinを出すためにまずは…」
「そうだ。やってみろ」
あーそうだったのか、わかりやすい!と俺は嬉しくなりながら問題を解き始めた。


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あきゅろす。
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