[携帯モード] [URL送信]

ハルノヒザシ

「やー、前田だったのか。やけにこいつ首細いなーとか思いながら見てたら」
なるほどなるほど、と凜先輩が親しげに話しだす。
「とりあえず、ごめんね」
「あ、俺の方こそすみません」
俺も再度ペコリと頭を下げる。
「何?お勉強?偉いなー前田は」
ちらり、と俺が持っている教科書を見て、俺が何しに来たか気付いた先輩はいつもの軽い調子でいう。
あ、はいでも先生居なくて…、と答えながら俺はその時、ハッと思い出した。
凜先輩が三年首席だと三好が言っていたことを…。
これはチャンスだ!
「凜先輩、お時間ありますか?」
「ん、いいよ、なに?」
「俺数学でわかんない問題があって」
「どれどれー?」
これです、と教科書を開いてその部分を指し示す。
「ちょっと見せて、あぁこれか、これはね…」
ペン貸してと言われ、俺は急いでペンケースを開きシャーペンを凜先輩に渡す。
「前の問題はわかる?」
「一応ー?解けます」
自信ないけど…
「自信なさそうだな。まぁいい。いいか、これはな…」
まさに凜先輩が質問の解説を始めた時
「おい、凜!」
後ろから凜先輩を呼ぶ声がした。


[*前へ][次へ#]

22/94ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!