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ハルノヒザシ

三好の頭を理解するには、三好と同程度の直感と閃きが必要だとわかったため、俺の数学教師探しは振り出しに戻った。
うーん、やばい。テストまでにどうにかしなければ、リアルに赤点もありえる…。
今までつきっきりで教えてもらって平均点行くか行かないがのギリギリのラインまでしかテストで取れたことがないのだから。
(とりあえず今日のところは先生に聞きに行こう)
放課後、俺はいつものように教科書を持って職員室に向かう。
ガラガラっ…
「すみません、山内先生いらっしゃいますかー?」
職員室の前で立ち止まり、お目当ての先生を呼んでもらうが今は居ないという返事。
がーん、どうしよう。明日も数学あるのに…。
仕方がない…、一旦教室に戻ってクラスの誰かに聞いてみるか…
そう思いながらくるりと踵を返し、歩きだそうとした時
ドン、と後ろに立っていた人にぶつかってった。はずみで俺が持っていた教科書やらノートが落ちる。
「…す、すみませんっ…」
「大丈夫?ごめんね」

バラバラと散らばった俺の筆箱の中身を拾いあげてくれるその人。
「はい」
「あ、ありがとうごさいます。あ…」
「あ…」
目があった瞬間、同時にお互いに気付く。
「前田じゃん」
「なる…、いや、凜先輩」
久しぶりに会う、凜先輩がそこには居た。


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