[携帯モード] [URL送信]

ハルノヒザシ

「でも平均点取れるくらい数学出来るんだよね?」
俺に教えて下さい!と俺は三好に頭を下げる。
昔は喜介に教わっていたが、転校した今数学教師探しは俺にとって急務だ。
いっつも授業中寝てるのに、テストできちんと取れるということは三好もそれなりに出来るんだろうし。
「あー、うー、俺でいいならそりゃいいけど…」
そんな俺に何故か煮えきらない態度の三好。
ぽりぽりと困ったように人差し指の先で口元をかいている。
「多分、俺には向いてないと思うよ」
俺数学、直感と閃きで適当に解いてるから、と三好が言った。
「直感と閃き?」
思わず俺は聞き返す。
「だから例えばこの問題だと…」
カチッとシャーペンの芯を出しながら、三好が再度俺のノートを開き、ある問題を指し示す。
「問題文がこうだろ…、で例題にこういうのがあるじゃん。で最後の文がこうだから…、多分この公式じゃなくてこっちだと判断するわけ」
何ヵ所かに線を引きながら、解説を始める三好。
「え?え?え?」
あまりに抽象的、つーかなんで問題文?に着目してんの?と俺は頭の上に疑問符が並ぶ。
こ、これが直感と閃きか…。
ぽかんとしながら聞いていると
「ほら、意味わかんねぇだろ?俺もほとんどカンでやってんだってば」
と、三好が苦笑いしながら一言言った。


[*前へ][次へ#]

20/94ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!