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ハルノヒザシ

「別にんな構えなくても減点したりしねーよ」
咲じゃあるまいし、わざわざ書類作るの面倒くさいし、さ。
あれ、いちいち書類作るのめんどいんだぜ、とあっけらかんと言う平野先輩。
見逃して、くれるらしい…。
ふーっと俺は肩を撫で下ろす。
「やーそれにしても前田は本当に神出鬼没だね」
この前は望月の部屋に居たしな、とからりとした声で平野先輩は続ける。
え?なんで平野先輩が知ってるんだろう。
こないだってあれだよな、例の匂宮先輩の…。
ちょっと考えて、ハッと気づく。
あ、あの時のは…、もしかして…
後から考えて望月先輩かとばかり思っていたけど
ぼんやり寝てた俺と倒れた匂宮先輩を徳永先輩から助けてくれたのはもしかして…
「あ、あの時は本当にありがとうございました」
ペコリと俺は頭を下げる。
あなたのおかげで俺は今、普通にしてることができる。
あなたのおかげで、俺も匂宮先輩もそして三好も普通にしてることができる。
「ハハハ、どういたしまして」
「?どういうことだよ」
「いや、こっちのことこっちのこと」
ゆるく笑って手を振る平野先輩を見ながら、望月先輩が一人訳がわからんとでもいうように怪訝な顔をした。

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あきゅろす。
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