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ハルノヒザシ

「な、に、し、てん、だ!この馬鹿!!」
「はい!すみませんっ!!」
一言、一言区切りながら、首根っこに力をこめながら、怒鳴られた声に、思わず俺は下を向いたまま畏縮して叫んだ。
この声は…
後は顔を見なくてもわかる。
「ったく…」
チッと舌を鳴らしながら、その人はようやく俺の首を離してくれた。
結構遠慮のない力で押さえつけられた首をさすりながら、俺も顔を上げる。
この薄暗い中でもわかる派手な金髪。
思いっきり俺を睨み付ける鋭い眼差し。
それらが表すのはたった一人。
将軍、こと望月先輩だ。
「お前なー、前にも門限破って見つかったってのに何をしてるんだよ」
大人しい顔して、校則破り常習犯だな、と半分呆れながら、説教を始める望月先輩。
「すみません…」
返す言葉も無い俺は、なるべく小さくなりながら頭を垂れた。
「しかも危ねぇ真似してやがるし!」
落ちてたらどうするんだ!と望月先輩が声を荒げる。
「本当にすみません…」
ますます小さくなりながら、俺はもう一度繰り返す。
「お前は本当に…、見付けたのが俺だったからよかったものの…」
風紀委員とかだったらどうすんだ、と望月先輩がやや声のトーンを落としながらそう言った瞬間…

「風紀委員がどうしたって?」
突然、後ろから声がした。
バッと後ろを同時に俺たちは振り返る。

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