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ハルノヒザシ

「あ、懐かしい」
段ボールの中身をあさっていると、奥の方からアルバムが出てきた。
「え、どれどれ…、って俺の小学校の卒業アルバムじゃん!!」
後ろから覗き込んできた夏が、何でそんなもの持っているんだと呆れた顔をする。
「マジで!見たい見たい」
面白そうだと思ったらしく、三好がベッドから降りて来た。
「ちょ、恥ずかしいから止めて下さいよ、三好さん」
「見よう見ようー。多分三好夏見たら変わっててびっくりするよー」
慌てて三好からアルバムを隠そうとする夏から、俺は急いでアルバムを取り上げペラペラとページをめくる。
えっと…、確か夏は二組だったっけな。
「あった!これだよ、これ!」
「やーめーてーよ!兄貴!」
「どれどれ………」
アルバムを取り上げようとする夏から、必死でアルバムを守りながら、俺はある一枚の写真を指差した。
興味津々に三好が覗き込む、が…

「え?どれ」

写真を見た三好は眼鏡をかけ直しながら、もう一度問う。
あれ?確かに指差したのに?
「これこれ。ほら、下に名前書いてあるでしょ」
もう一度、今度は名前と写真を交互に指てで示す。
「…んんん…、これ…?」
眉を寄せながら、夏と写真を交互に見る三好。
三度ほど三好の視線は写真と夏を往復した後

「え…、嘘だろ…」
と小さく呟いた。

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あきゅろす。
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