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ハルノヒザシ
テスト週間
トントン
ドアをノックする音。
「はーい、今出ます」
俺はやっていた作業を中断してバタバタとドアに走る。
ガチャ
「あーにーきー!!」
「うぉ、夏っ!!」
ドアを開けるなり、ガバッと夏が抱きついてきた。
休日らしく、タンクトップにハーフパンツと思いっきり楽な恰好をしている。
「びっくりした。いきなりどしたの?」
「別に。特に用ないよ」
「昼飯か?まだ昼飯作ってないよ」
「いいもーん別に。兄貴に会いたかっただけだから」
ギュッと俺を抱きしめながら夏が甘えた声を出す。
うう、苦しい…、暑い…、重い…。
とにかく入れよ、と引っ付いてくる夏をズルズルと引きずりながら部屋の中へと戻る。
「あ、弟くんだったのか」
部屋のベッドの上で寝転がりながら本を読んでいた三好が、ひょいと顔を上げながら言う。
「っす。久しぶりです。三好さん」
「久しぶり、弟くん。いつも元気だね」
「元気過ぎたよ。三好ー夏が来たから昼飯炒飯でいい?」
「何でも俺は歓迎だよ」
「やったー炒飯大好き!」
お代わり沢山作ってね、と夏がニコニコしながら言う。
「はいはい、んじゃ、これ終わってからすぐ作るから」そう言うと俺は、先程までやっていた自分の荷物の整理を再開した。

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あきゅろす。
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