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ハルノヒザシ

「んだと、てめぇ。決めた、犯す」
「やれるもんならやって下さいよ、遊び人で有名な匂宮先輩」
あわわ、ヤバい雰囲気。
あれだぞ、一対二だから有利だとか思ってんだったら間違いだぞ。
俺は女子に腕相撲で負けるんだからな。
混乱状態の俺とは逆に余裕の表情の三好。 エクステ先輩、もとい、匂宮先輩の殴りかかった拳をいとも簡単によけ、先程の教室に駆け込んで行ってしまう。
「テメっ!!なめやがって!」
すぐさま後を追う匂宮先輩。ピシャっと扉が閉められる。

部屋からはバタバタという物音。
さて、俺はどうしよう。一人だけ逃げる訳にも行かないし、かと行って参戦しても三好の足を引っ張るのは目に見えている。
扉を開けて覗いてみようか、と思った瞬間、パァンっと言う乾いた音と「うわっ!」という声。

「逃げるぞ!!走れっ!!」
「あっああ!」
扉を開けて三好が飛び出して来る。
俺は慌ててその後を追った。結構足早いな三好。

「テメー!!待てコラぁー!!」
廊下を駆け抜けた後ろからさっきの匂宮先輩の怒声が響く。足音が聞こえる。
うひゃー、怖い。三好何したんだよ。
「前田!こっち!!」
並んで走っていた、三好が曲がり角を曲がり、扉を通り抜ける。

ダンっと音を響かせ三好がその扉を閉めて素早く鍵をかけた。
よく見るとここは俺達の教室がある校舎。
そうか、ここで繋がっているんだ。さっきの校舎と。



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あきゅろす。
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