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ハルノヒザシ
体育祭
『プログラムナンバー12番。クラス対抗リレー決勝に出場する選手は入場門前に集合して下さい』
「よっしゃー!勝つぞ!前田!二条!三好!!」
体育祭当日。快晴の空に朗々とした声のアナウンスが流れた瞬間、音羽が飛びはねるように立ち上がり、そう叫びながら入場門へと走り出した。
「あいかわらずテンション高いわ、あほう」
俺の隣に座っていた二条が呆れたように呟きながら立ち上がる。
「ほな、いこか。前田、三好」
「おう。ほら、前田。諦めて立て。リレーなんかすぐに終わんだから」
「……うん」
最後の抵抗とばかりにぐずぐずと立ち上がらなかった俺は、三好に腕を引かれようやく立ち上がり、ふらふらと歩き出す。
うう…、緊張して目眩がする…。だからリレー出たくなかったのに。ああ、あの時図書室に行かなければなぁ…。
望月先輩が体育委員長に直々に掛け合ったおかげで、結局俺はリレーの選手に強制任命。
しかも何故か三好まで…。
俺と三好の飛び入り参加に音羽は「ベストメンバーが揃った」と大喜び。
確かにベストメンバーが揃ったのは事実で午前中に行われた予選を二位で通過してしまったのだけれど…。
「絶対優勝してこいよ!」「頑張れー!!」
そのおかげで更に大きくなったみんなの期待の声を背中に受けながら、俺達は音羽の後を追って入場門へと向かった。

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あきゅろす。
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