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ハルノヒザシ

「ご馳走さまでした!」
三杯のご飯を平らげ、すっかりご飯を空にし、食べるものが無くなった所で、ようやく夏は茶碗を置いた。
食べるのも早く、そんなに食べておいて食べ終わるのは俺とほぼ同じだ。
いや、 俺が遅いだけかもしれないけど…。
「相変わらず食うなー、弟君。前田にも見習わせたいくらいだ。なんせこの間計った時の体重が…」
「みーよーしー!!余計な事を言うな!ほら、夏。髪切るからこれ被れ!」
既に食べ終わり、コーヒーを飲んでいた三好の言葉に夏が反応する前に、俺は髪切る用のビニールのカバーを夏に被せる。
「兄貴、体重…」
「はい、そっち座って!後ろ向け!」
何事か言いたそうな夏の背中を押し、新聞紙の上に座らせる。
だってさー、体重のことになると何か言われるの目に見えてるし。
太らないんだってば!俺は。
「…まさかまだ50も無いんじゃ…」
「うーん、四月に切ったばっかりだからそんな伸びてないな…。今日はいつもより短く切る?いつもみたいに切るとあんま変わらないよ?多分…」
座っている夏の後ろに膝立ちし、櫛で髪をとかしながら俺は言う。
もちろん体重に関する夏の言葉はシカトして。
「やだ。いつもみたいに切る」
「わかった、わかった。じゃ、動くなよ」
ま、確かにいつもより短く切るとかなり短くなるしな。
ご注文通りいつも通りで行こう。
そう思いながら鋏を取り出し、一度だけ確かめるようにシャキンと鳴らしてから、切り始める。

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あきゅろす。
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